偏食系男子のススメ【完】
「正直に言え。何隠してんの?」
「か、隠してなんか、……っ」
往生際が悪い。いい加減認めたらどうよ。
睨みつけていれば、ボス猿は泣きそうに顔を歪めて私の体を力いっぱい押した。
油断していたからか、彼女のバカ力のせいか、その拍子に腰を机に強打して、めちゃ痛い。
……私の綺麗な体に痣でもついたらどう責任とってくれるつもりだよ。
「……何すんの?」
「うっ、ウザいのよあんた! 何もないっつってんじゃん!」
「……へー」
やられたらやり返せ。コレ基本。
ボス猿の脛に蹴りを入れれば、彼女は声にならない悲鳴をあげてその場に再び蹲った。
何故か早川までもヒッと声を上げて顔を顰めている。そういえば彼は私の攻撃を受けている第一人者だった。
でも一応、女子であることを考慮して、手は抜いてあげたつもり。暴力って好きじゃないし。感謝してほしいくらい。