偏食系男子のススメ【完】




「痛……っ、あんたこそ何すんの……っ!?」


「仕返し」




ボス猿が悔しそうにこちらを上目遣いで睨んでくるけど、こういうときって川端さんが本当に可愛いことを実感する。


比べ物にもならないくらいの差がある。


川端さんの上目遣いは嫉妬するほど可愛くてムカつくけど、それに慣れてるからかちっとも胸に響かない。ごめんボス猿。


ムカつく通り越して哀れにすらなってきた。それもこれも全部川端さんのせいだから彼女を恨んでやってくれ。



見るに堪えなくなって、ボス猿に目線を合わせるべく私もしゃがみこんだ。



可哀想だけど、同情を誘ったって無駄だ。そんなんで私が騙されると思うなよ。大人しく引きさがると思うな。


どうせ私への嫌がらせだろう。人がいないのをいいことに、こっそりお金盗ったり机に落書きしたりしてたに違いない。


ちゃんと白状させて、土下座するまで逃がしてなんかやるもんか。



< 60 / 310 >

この作品をシェア

pagetop