近くて遠い恋
隆斗の足がまた止まる。
チカチカとした光が、目に慣れない。
ここはカラオケ店だ。
すでに駐輪場には自転車が並んでる。
もう中に数人いる、ということだ。
「おーっ。隆斗! 来てくれたか」
店内に入ると男子が四人いた。
その中の一人、茶髪の元気そうな男子が隆斗にハイタッチする。
学校でもよく一緒にいる人だ。
たしか、金広純太(カネヒロジュンタ)くんだったような。
「よう純太。がんばれよな」
「ばかっ」
二人がこそこそ話してると思えば、私の方を時折見てくる。
がんばれってどういう事だろう。
でも私には関係ないからきにするほどでもないかな。