近くて遠い恋
その後男子の先輩が加わって18名になったから、ふたつの部屋に分かれることになった。



くじ引きで決めた結果、凪沙先輩と隆斗も一緒になった。



ついでに純太くんも。



凪沙先輩が代表してみんなから2時間分の料金を集めて、店員に渡してから部屋にはいった。



部屋は思ったより広かった。



五人は楽に座れるソファが向かい合わせに置いてあって、奥にあるテレビが新曲のイントロを流していた。



凪沙先輩が奥から先に座ったから、その隣がいいなと思った私だったけど。



「おい。お前はこっちな」



隆斗の手が私の頭を鷲掴みにして強制的に引き剥がされてしまった。



「えっ。待って待ってなんで?」



ていうか痛いって。



こいつは私をボールだとでも思ってるのだろうか。

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