近くて遠い恋

無言のまま隆斗は奥の席に座って、その隣が私になった。



目の前はすでにアプローチを受けてる凪沙先輩がいて、ちょっとかわいそうだなと思った。



「あっ、朝比奈さんの隣よろしいでしょうかっ」



「へっ? あっはい」



いきなり敬語で話しかけてくるから、私は驚いた。



見覚えある茶髪。純太くんだ。



「どーぞどーぞ。あとそんなにかしこなまらなくていいよっ」



見た目とのギャップに、つい笑ってしまった。



なんか面白い人だしかわいい。



どこぞの誰かさんとは違ってね。



「ん? なんだよ」



「いやぁ。なんでもなーい」

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