近くて遠い恋


(なんだかんだ楽しい!)



一曲歌い終えた私はジュースを飲み干した。



空調が効いていて、外とは違って汗ひとつかかない。



涼しいし、歌も歌える。



いろんな人の面白い話や雑学も聞ける。



ジュースも飲み放題。


つまらないとか決め込んでたけど楽しくないわけがない!



「あっ、なくなっちゃった」



グラスが氷だけになる。



私はジュースをいれてこようと立ち上がると純太くんも「俺もいきます」とついてきてくれた。



カラオケボックスから出ると、少しだけ熱気を感じた。



「夜なのに暑いですね」



ドリンクバーの機械がある所まで歩いてると、純太くんが話しかけてくれた。



挨拶以来、一回も会話してなかったから、安心する。



「梅雨になっちゃうからね。だんだん湿気もひどくなるし」



私はため息をついた。



雨ばっかりの梅雨は好きじゃない。



練習が体つくりだから、正直おもしろくないからだった。
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