近くて遠い恋

「雪音さ。あいつのことどう思ってんの」



ぶっきらぼうな口調で私に聞く。



あいつって、もしかすると純太くんのことかもしれない。



けど、どう思ってると言われても。



「明るく面白そうな人かな」



としか言えない。



だって、全然関わりなかったから誕生日すらわからない。



私がそう言うと、隆斗は黙った。



……しばらく沈黙が続く。



頭上の蛍光灯がチカチカと点灯していて、目が痛くなってくる。



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