近くて遠い恋
「んだよ。まだ遊びたいんじゃないの?」
「まあみんなに悪いけど、今更戻ってもあれだからさ」
純太くんにも悪いけど。
「そっか。つか俺の隣にこないで」
隆斗は少し怒ったような声で言う。
「なんで?」
隆斗の顔が街灯によってうっすらと照らされる。
あれ、変なの。隆斗の顔が赤い。
りんごとまでは言えないけどそれなりに。
なにか恥ずかしいことでもあったっけな。
じいっと見つめる私の額に隆斗の手が伸びて、ペシリと叩かれた。
ちょっと痛い。
「顔を見るんじゃねーって。俺の半径1メートル以内に近づくなよ。後ろを歩け」
「なにそれ!? 一緒に帰る意味!」
でも守らないと全速力で走るっていうから、私は仕方ないなと距離をとった。