近くて遠い恋
「美雪ー」
「どーしたの?」
後ろから声を掛けられて振り向くと、死にそうな顔をした親友の遥がフラフラと歩いてくる。
遥の動きに沿ってポニーテールがゆらゆらと揺らめていた。
「大丈夫なの?」
今にでも力尽きそうなんだけど。
「んー。無理無理。全然大丈夫じゃな……うえ……気持ち悪」
「って駄目じゃん! 保健室行かなきゃ!」
私はベンチから遥のタオルを取りに行って、遥の頭に被せた。
顧問の先生は会議で来れないから、私がなんとかしないといけない。