近くて遠い恋



なんだろう。すごく、胸がドキドキする。



空調が効いてた保健室にいたのに、むしろ熱くなった気がする。



一体私の体に何が起こったのだろうか。



「私、変だな。まあいいや」



早く練習に戻ろう。



さっきの出来事は忘れよう。



下駄箱で靴を履き替えていると、またあの声が。



「おい」



隆斗が追いついてきたらしい。



「……なに?」



私はペースを乱されまいと、わざと冷たい態度を取った。

< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop