正義の味方
「梓!!!早くこいよ!!!!」
「あっ・・ごめん・・」

萩原梓だった。


「ねー今日荷物重くない?ジャンケンで負けたヤツが全部の荷物持とうよッ♪」
言い始めたのは里奈だった
「え・・でも・・」
「何?嫌ならジャンケンで勝てばいいじゃん」
と、鋭い目つきで言ってきた。
梓がビクッとする。

「そーだよー」
「早くジャンケンしようよー!」
と、取り巻きたちの声があがる
「・・うん・・」
と、丸め込まれた。
こんな弱い自分、大嫌いなのに


「じゃーんけーんポンっ!!!」

勝ったのは梓だった。
「やった・・」
勝った・・!
しかし、

シン・・とグループの中の空気がとまる。

「うわー超KYじゃん!!!」

え・・!?

「梓、最悪ゥ~」
「空気読めよー!!」
とヤジが飛んでくる。
ふと視線を感じ、里奈の方を見ると鋭い目でまた私を見ていた。

「ご・・ごめん私空気読んでなかったよね・・私が持つよ・・」
か細い声で私が言うと、
「いえーい★梓優しい~♪」
「やっぱり持つべきものは友だよねぇ」
「じゃヨロシク~」
調子いいことを言いながら
ドサドサッと梓の腕の中に取り巻きや、里奈のバッグが置かれる。

重いよ・・
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