君に好きと伝えよう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

└お似合いのふたり





----------------どうして、どうして私は、
素直になれないんだろう。



『奈々、そろそろ起きなさい!』

時間は6時35分。

いつものお母さんの声で私は起きた。

二段ベッドから降りて、パジャマのままリビングに向かう。扉を開けると甘い卵焼きの匂いがした。



『おはよう、奈々』

いつも私より早く起きて、お母さんの手伝いをしている寧々(ねね)

寧々と私は双子の姉妹だ。


『早く食べて制服に着替えなさい。もうすぐ陸君達が迎えに来るでしょ?』

『んー』


私は寧々が作った朝ごはんを食べながら、気だるい返事をした。ボサボサ頭の私とは違い、寧々の格好は完璧で今はお皿を洗っている。


『もう、少しは寧々を見習いなさい』

お母さんは口癖のようにこの言葉を言うけど、私は大嫌い。双子だからって似ているとは限らない。



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