君に好きと伝えよう。
『ただいまー』
日が落ち始めた頃、寧々が家に帰ってきた。
私はリビングのソファーに横になって、ファッション雑誌を広げていた。
『おかえり』
台所で晩御飯の支度をしてるお母さん。それを見るなり寧々はカバンを置いて愛用のエプロンを急いでした。
『手伝うよ。これ切ればいいの?』
『もう、別にいいのに。帰り道暗くなかった?』
『陸が一緒だから平気だよ』
----------本当にどこまで完璧なんだろう。
私だって、ファッション雑誌が読み終わったら手伝おうと思ってたもん。
料理だって作れないって思われてるけど出来るし、卵焼きだって上手く作れる。ジャガイモの皮むきもお皿洗いも私の方が早く出来るのに………
『奈々、箸とコップぐらいテーブルに並べて』
お母さんは私が何も出来ないって思ってる。