君に好きと伝えよう。



『えーどうしたの急に』

暗闇の中でも寧々が照れているのが分かる。


『別に。なんとなく』

顔が見えなくて良かった。私は顔に出やすいけど声だけならこの嫉妬もバレないだろう。


『小学3年生の時からかな。ほら、私が運動会で転んだ時あったでしょ?あの時、保健係だった陸が私を保健室に連れてってくれたんだよ』


小学3年生の時………

それじゃ、私の方が早く陸を好きだったんだ。

私は小学校の入学式で陸を見た時からずっと、
陸は他の男子とは違った。

双子同士ですぐ仲良くなって、背も顔も大人になっていく陸にずっとずっとドキドキしてた。



『だからね、あのバレンタインの時勇気を出して告白して良かったよ。じゃなきゃ今ごろ陸は別の女の子と付き合ってたかもしれないしね』

『……』


寧々はあの日から幼なじみじゃなく、彼女になった

それはたったひとつしかない特別席。


『奈々は好きな人いないの?』


涙が出るほど残酷で、こんな嫉妬心ばかりの私を陸が好きになるはずがない。


『居ないよ』


どうして私達は双子なの?

同じ時間に同じ場所から生まれたなら、
私が寧々になりたかった。


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