君に好きと伝えよう。



『ちょ、なに?どこ行くの?
海……ねぇ、海ってばっ!!』


たどり着いたのは近くの公園。ベンチに強制的に座らされ、海が自動販売機で水を買ってきた。


『飲め』

『いらない』

『なら無理やり飲ますぞ』

『…………』


渋々水を受け取って一口飲むと、少し胸の苦しさが流れた。


公園には犬の散歩をしている人が居るだけで、制服姿の私達はかなり違和感。まぁ、騒がしいより静かな方が好きだけど。


『あんたのせいで学校遅刻じゃん。
せっかく皆勤賞狙ってたのに』

『そんなの貰っても1円にもならねーじゃん。
たまにはサボっとけ』


海がなんでこんな事をしたのか私には分かる。

私は陸の前では泣けないけど、
海の前なら泣ける。

どんなに恥ずかしい泣き顔も弱さも、海の口の悪さで吹き飛ばしてくれるから。



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