君に好きと伝えよう。





『奈々、髪の毛やってあげる』

家を出る5分前。寧々はアイロンとブラシを持ってきた。


『いいよ別に。水で濡らせば平気だし』

『駄目』


強制的に洗面所へ連れて行かれ、寧々は私の髪の毛をとかした。


『奈々も髪の毛伸ばせばいいのに』

『………短い方が楽じゃん』


本当は嘘。私だって髪を伸ばして寧々みたいにしたい。でも比較されるのは嫌だから………


『はい、出来た。ほら行こ?もう陸達待ってるよ』

『………うん』


------------あぁ、本当になんで双子なのにこんなに違うのかな。一番近い場所にこんな比較対象を用意するなんて、神様はいじわるだ。



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