君に好きと伝えよう。
『まぁ、あれだよ。寧々と比べなくたってお前にはお前にしかない良さがあんだろ』
『………』
一応慰めてくれてるのか、
でも私にはその場しのぎの言葉にしか聞こえない。
『じゃぁ、私の良さってなに?
10個言って』
『はぁ?そんなにねーよ』
ほらね、結局ないんじゃん。10個はなくてもせめて何か即答できる良さがあっても良くない?
私が再び落ち込んでいると、陸は舌打ちをした。
『あー面倒くせぇ奴だな。お前のいい所はよく食べてよく寝る事!以上』
『………』
なんか色々馬鹿らしくなってきた。海に何かを求めた私が悪い。
『あんたって本当、陸とは真逆だよね』
『あ?』
言った後で“しまった”と思った。
これは私が言われて一番嫌な事だった。