君に好きと伝えよう。
そして珍しく陸達とは別々に登校して、昇降口で大あくびの海と会った。
『おはよー海』
『んー』
寝癖ついてるし、ネクタイ曲がってるし、朝練で汗を流してる陸とは大違いだ。
『ひでー顔』
私の顔を見るなり海が鼻で笑った。
『うるさい、馬鹿』
仕方ないじゃん。寝不足だし、目は腫れてるし、
声も何故かガラガラだし。
『良かったじゃん』
まだなにも言ってないのに海は全てを分かってるみたいだった。双子ってシンクロ的なものがあるけど、幼なじみでもそういうのがあったりするのかな。
『………でもまだ終わってないよ』
そう、まだ肝心な人に伝えてない。
『まぁ、程々に頑張れ』
海はそう言って教室に入っていった。