君に好きと伝えよう。





『陸、ちょっといいかな?』

私は陸が朝練から帰ってくるのを待って、昇降口で声をかけた。


『あれ、奈々おはよう。どうしたの?』

覚悟を決めたはずなのに心臓がうるさい。

直接想いを伝えるってこんなにドキドキするんだ。


1時間目のチャイムまであと10分。

私は陸に場所を移動してもらって、中庭のベンチに腰かけた。


『奈々と二人で話すの久しぶりだね』

急にこんな所に連れてきたのに陸は笑顔だ。


『ごめん、朝練で疲れてるのに』

『はは、疲れてないよ』


陸の横顔をこんな近くで見たのはいつ以来だろう。

いつも一緒に居たのに、陸を避けていたのは私の方


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