君に好きと伝えよう。




『ねぇねぇ、1組体育外でやってるよ』

友達の満里奈が窓の外を指さした。

くじ引きで窓際の一番後ろの席を引き当てた私だけど、くじ運だけ良くても世の中いい事なんてない。


『あー陸君居るじゃん!体育やってる姿も絵になるって相当だよね。あれはモテるわ、うん』


満里奈は歳上の彼氏持ちで他の女子みたいにキャーキャー言わないから助かる。


『あんなのが小さい頃から一緒だと、他の男子なんて見る気起きないでしょ』

『うーん』

微妙に口を濁しながら私は笑った。


『まぁ、陸君には寧々が居るけどさ。幼なじみも双子って何気すごいよね』

『そう?』

『うん、最初びっくりしたもん。ただでさえ学年に双子が居るって珍しいのに』


だから私達はすぐ目立つ。そして寧々と私の違いに気付いてみんな寧々の方を選ぶんだ。

思えば寧々よりも先に私に声をかけてくれたのは満里奈が初めてな気がする。


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