君に好きと伝えよう。



『おい、佐野!佐野 海』

授業中、先生が海の名前を連呼していた。


海は好きな授業以外全部寝てるし、それは小学校の頃から。いつも成績は普通以下なのに赤点とか取りそうになるとやっとやる気を出して免れる。

それで私よりいい点を取ったりするからムカつく。


『海、おいってば!』

友達が寝ている海を揺らしたけど反応なし。

海の寝起きの悪さと寝つきの良さは私が保証する。


私は固い消しゴムを手に取ると、それを海の頭に思いっきり投げた。


この命中力も小学校の頃から鍛えられて今じゃ外す気がしない。


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