君に好きと伝えよう。




『おい、消しゴム投げるの止めろって言っただろ。しかもわざわざ固いやつ選びやがって』

授業が終わり休み時間、不機嫌な海が私の机に消しゴムを返しに来た。


寝起きの海は友達ですら近付けないらしいけど、私はどうって事ない。むしろ機嫌のいい海なんて気持ち悪い。


『だったら私より後ろの席になれば?』

『……』


これを言うと海は黙る。海のくじ運の悪さは昔からだから。


『可愛くねー女』


そんなの知ってるし。

むしろ可愛らしさなんて私にあるのかって感じ。

きっとその部分は寧々が全て持っていったんだ。
寧々なら多分可愛い起こし方を知ってるんだろうな


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