オトナの恋を教えてください
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一日遊園地で過ごすには、夏の日差しは暑すぎた。
午後も早い時間で俺たちは帰途に着くことにする。
別れ際にコーヒーを飲んでも、会社の定時よりは早く帰宅できるだろう。
帰り際、いろはの希望で観覧車に乗った。
ガラガラの観覧車からは周囲の山なみや、点在する人家や田畑が見渡せた。
遠く見えるビル群は新宿だろうか。
今頃、会社では同僚たちが仕事中だ。
皆が働いている時に休むのは、少しの優越感と、同量の罪悪感を覚える。
「来週はお盆休みがありますね」
「ああ。でも俺、何日かは出勤だよ」
「そうなんですか?お忙しいですね」
俺は遠くを眺めながら頷く。
最近はお盆も関係ない企業が多い。うちの会社が休みでも客先が仕事で、俺みたいに密に連携とっている身には、相手に合わせることも大事。
営業企画の同僚には、やはりお盆返上のヤツらも何人かいる。