オトナの恋を教えてください
食事を終え、ジェラートとコーヒーを楽しんでいると、柏木さんが口を開いた。


「お見合い、来週の日曜だよな」


「はい」


「じゃ、今週の土日、空けて。できれば、泊まれるように準備してほしい」


心臓が
どくん
と大きく鳴った。

泊まる。

泊まるって、
つまり……。


「お母さんに言い訳が必要なら、斉田さんにアリバイ作りを協力してもらおう」


「柏木さん、あの……」


「約束の期限も近いし。そろそろカタつけないとな」


柏木さんはなんでもなさそうに言った。
そりゃ、彼からしたらたいしたことじゃないだろうけど。

私には一生で一度の……夢に見た……。
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