オトナの恋を教えてください
ソファにあった鞄を手に母は玄関に向かう。
ああ、今行ったら紹介はしなくても柏木さんと鉢合わせじゃないかな。
少々ハラハラする私に、パンプスをひっかけながら母が言う。
「安心しなさい。あなたのカレシは全力で無視してあげるから。あと、あなたの会社にはタチの悪い風邪で入院したってことにしてあるから、今週いっぱいくらいは休めるわよ」
「もう、お母さん……今から私も出社するよ」
「そう?せっかくだから、カレシと遊びにいけばいいじゃない」
母はニヤリと笑い、片手を上げると玄関を出て行った。
玄関で見守っていたおばあちゃん家政婦さんには「あとで連絡します」と一言かけていったけれど、彼女の仕事も今日までだろう。
私は母の後を追うように、玄関を飛び出した。
廊下には柏木さんが立ち尽くしている。
「いろは……俺、おまえのお母さんにガン無視されたケド……、話し合いは決裂か?」
おそるおそる聞いてくる柏木さんに思わず笑ってしまう私。
ああ、今行ったら紹介はしなくても柏木さんと鉢合わせじゃないかな。
少々ハラハラする私に、パンプスをひっかけながら母が言う。
「安心しなさい。あなたのカレシは全力で無視してあげるから。あと、あなたの会社にはタチの悪い風邪で入院したってことにしてあるから、今週いっぱいくらいは休めるわよ」
「もう、お母さん……今から私も出社するよ」
「そう?せっかくだから、カレシと遊びにいけばいいじゃない」
母はニヤリと笑い、片手を上げると玄関を出て行った。
玄関で見守っていたおばあちゃん家政婦さんには「あとで連絡します」と一言かけていったけれど、彼女の仕事も今日までだろう。
私は母の後を追うように、玄関を飛び出した。
廊下には柏木さんが立ち尽くしている。
「いろは……俺、おまえのお母さんにガン無視されたケド……、話し合いは決裂か?」
おそるおそる聞いてくる柏木さんに思わず笑ってしまう私。