オトナの恋を教えてください
「柏木さん……」


昼休みに入ってすぐ、斉田さんが俺のもとへやってくる。

心配そうな顔をしている彼女は、俺だけでなくいろはのことを考えているのだ。


「いろはには今夜話すから。お昼で会ったら、伝えておいて」


彼女は頷き、小さなバッグを持ってフロアを出て行った。
伝言役に使って済まなく思う。

だけど、まだいろはの顔を見て、きちんと話せる気がしない。
夜までに、気持ちを整理しておこう。
そして、うまく伝えられるようにしておこう。





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