オトナの恋を教えてください
金曜の夜だった。
名目上、本社最終日を終えた俺は、何度目かの酒の誘いを『引越し準備』を理由に断った。
本当は、よもぎを引き取りに行く予定があったからだけど。
今のマンションはペット禁止なので、一晩だけ内緒ということになる。
「お疲れ、よもぎ。って言っても、明日はまた移動で大変だけどよろしくな」
移動用のケージから出すと、ぐーんと伸びをするよもぎ。
慣れ親しんだ猫カフェとまるで違う俺の部屋。でも、よもぎは変わらず俺の脚に擦り寄ってくる。
「おまえの安定感、好きだわー」
すると、玄関のチャイムが鳴った。
なんだろ、新聞の勧誘は入って来られないし、宅配便は頼んでないし。
「はい」
俺はたいした疑問も覚えず、無造作にドアを開けた。
名目上、本社最終日を終えた俺は、何度目かの酒の誘いを『引越し準備』を理由に断った。
本当は、よもぎを引き取りに行く予定があったからだけど。
今のマンションはペット禁止なので、一晩だけ内緒ということになる。
「お疲れ、よもぎ。って言っても、明日はまた移動で大変だけどよろしくな」
移動用のケージから出すと、ぐーんと伸びをするよもぎ。
慣れ親しんだ猫カフェとまるで違う俺の部屋。でも、よもぎは変わらず俺の脚に擦り寄ってくる。
「おまえの安定感、好きだわー」
すると、玄関のチャイムが鳴った。
なんだろ、新聞の勧誘は入って来られないし、宅配便は頼んでないし。
「はい」
俺はたいした疑問も覚えず、無造作にドアを開けた。