オトナの恋を教えてください

「だって、柏木さんがよもぎのブラッシングをサボって毛玉だらけにしたからじゃないですか。重ねていいますけど、ノルウェージャンフォレストキャットという猫は下毛が豊かなので絡みやすいんですよ。専用のブラシで毎日梳いてあげることが……」


「わかったわかった」


柏木さんが観念したように頭を下げる。


「はい、いろはさんのおかげで、うちのよもぎが綺麗な毛並みを取り戻しました。ありがとうございます」


「わかっていただければいいんですよ。さて、ごはんでも食べに行きましょうか」


このまま当て所なく歩いてもいいけれど、せっかくだから夕食に誘ってみる。


「お蕎麦にしませんか？この先に柘植さんと美野里と3人でよく行くお店があるんですけど」


「あー、今日暑いから、冷たいざる蕎麦と日本酒で締めるのは歓迎。……ところで、柘植と斉田さんって上手くいったんだね」


「ハイ、すごく仲良しで、一緒にごはんとか行くと当てられちゃいます」