オトナの恋を教えてください
「デートなんだよ!どうしよう!」
社食でB定食を食べながら盛り上がる私を、美野里は冷めた目で見ている。
「どうしようもこうしようもないわよ。いろはの目的からしたら、超序盤じゃない」
おっしゃる通りであります、軍曹。
美野里は私が柏木さんと手をつなぐことに手間取っていたことを知っている。
柏木さんと恋人契約をしてからはや2週間。
お見合いまでは約1ヶ月。
確かにようやく休日デートってあたりが、私のすっとろさを物語っております。
「ここから巻き返すよ。うん、大丈夫!柏木さん、女性慣れしてるから何をするにしてもスマートだし。私も頑張ってついていくよ」
「で、何着ていくの?」
美野里が柔らかすぎる豆腐ハンバーグをお箸で切りながら聞いてくる。
そうだよね、おべべは大事だ。
「見て見て」
私は買ったばかりの服の写真をスマホに映す。