この列車は恋人駅行きです。
恋なんてしなくたって、彼氏なんかいなくたってやっていけるんだからいいじゃない。
帰りの電車でボックス席に座ると向かいには高校生のカップルが座っていた。
二人でスマホを見ては笑い合ってる。
なんか幸せそうだなー……
今は仕事だからとか言ったけど、見てればそんなことを思ってしまう。
兄の結婚式に出た時にお母さんに「あんたはいつなの?」とか言われるし。
「……はぁ」
電車の窓から外を見るとくらいせいか自分の顔が窓に映る。
疲れきった不細工な顔を見れば自然と二回目のため息が出た。
別に。
私は恋愛よりも仕事で生きていくし、家に帰れば私の癒しのラッキー(←シロクマの縫いぐるみ)もいるし。
それで十分生きていけるんだから。