ずっと、傍にいてよねっ!
 「どうする?」



 美緒が問いかけた。



 「何を?」



 主語をくれ、主語を。



 「誰が行く?私一人で行こうか?」



 「いや、全員で行こう」


 
 「浅葱、」



 雄大が急に俺を呼んだ。



 何、と振り返ると




 「じゃんけんぽん!」




 反射的に出したグー。



 雄大は…パー。




 「浅葱はここで待ってろ。



 俺と美緒で行って来る」




 そう言って階段を上っていく二人を俺は見ていた。



 「目的先に言えよな…」



 つぶやきながら。
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