ずっと、傍にいてよねっ!
待ち伏せ、されてる……。




 逃げなきゃ。



 離れなきゃ。


 
 黙って通り過ぎようとした私に美緒が言った。



 「理由は聞くなって、無理でしょ。


  ……菜緒が同じ立場でも、きっと同じこと思うでしょ」


 私は走り出した。




 でも、一応ながら所詮私も女子だったわけで。



 陸上部短距離に所属している雄大から逃げきれるわけもなく。



 あっさりと、腕を掴まれてしまった。
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