まだ、心の準備できてません!
ちょっと触れられただけで、ドキッとしてしまう自分には本当に呆れる。
男の人に慣れてないとはいえ、相手はライバルだっていうのに……。
階段を上り、いつの間にか隣に並んでいた背の高いその人をちらりと見上げる。
憎らしいほどカッコいい彼は、私の視線に気付き、横目で見てふっと微笑む。
なんとなく決まりが悪くなって、咄嗟に目を逸らした。
そんなことをしているうちに、突き当たりの会議室に着き、浅野さんがドアに手を掛ける。
開かれたドアの向こうを彼の後ろから覗くと、十五人ほどが席につけばいっぱいになってしまいそうなくらいの、あまり広くはない空間が広がった。
ブラインドの隙間から日が差し込み、真っ白で清潔感があるその部屋の中央には、長いミーティングテーブルが三台、横に並べてくっつけられている。
その周りに男女三人が座っていて、皆の視線がこちらに向けられる。
「皆さん、こんにちは」
浅野さんが爽やかに挨拶し、続けて私も「こんにちは」と会釈すると、皆にこやかに挨拶を返してくれた。
私を振り返った浅野さんは、テーブルの周りの席を手で示す。
「講師はもうすぐ来るから、どこでも空いてる席に座って」
「あ、はい……!」
男の人に慣れてないとはいえ、相手はライバルだっていうのに……。
階段を上り、いつの間にか隣に並んでいた背の高いその人をちらりと見上げる。
憎らしいほどカッコいい彼は、私の視線に気付き、横目で見てふっと微笑む。
なんとなく決まりが悪くなって、咄嗟に目を逸らした。
そんなことをしているうちに、突き当たりの会議室に着き、浅野さんがドアに手を掛ける。
開かれたドアの向こうを彼の後ろから覗くと、十五人ほどが席につけばいっぱいになってしまいそうなくらいの、あまり広くはない空間が広がった。
ブラインドの隙間から日が差し込み、真っ白で清潔感があるその部屋の中央には、長いミーティングテーブルが三台、横に並べてくっつけられている。
その周りに男女三人が座っていて、皆の視線がこちらに向けられる。
「皆さん、こんにちは」
浅野さんが爽やかに挨拶し、続けて私も「こんにちは」と会釈すると、皆にこやかに挨拶を返してくれた。
私を振り返った浅野さんは、テーブルの周りの席を手で示す。
「講師はもうすぐ来るから、どこでも空いてる席に座って」
「あ、はい……!」