まだ、心の準備できてません!
ちょっと、というか、かなり興味が湧いてきた私は、持ち上げた紙袋を再び椅子に置き、無愛想美女に質問してみることにした。
「三木さんは、どうしてここの講師になったんですか?」
“この道が一番合っている”と言うのだから、きっと単純にこの仕事が好きなのだろう。
それはわかるけれど、人格を作ってまで講師をする理由は何なのかが気になる。
三木さんは、瞳だけを動かして目線を斜め下に下げると、ぽつりとこう言った。
「浅野さんに、頼まれたからです」
「……浅野さんに?」
それはまたどうしてなのか聞こうとしたけれど、今度は私に目線を戻した彼女の方から質問される。
「真白さんも、今日ここに来たのは同じ理由なんじゃないですか?」
「えっ、どうして……」
同じ理由というのは、浅野さんに言われて、ということだよね。何でわかるの?
キョトンとしていると、三木さんはペンをケースにしまいながら、感情のない声で話す。
「マシロはここと同じ包装用品専門店でしょう。その店員であるあなたが、ラッピングが出来ないとは思えません。なのに、わざわざ講習を受けに来たということは、彼が一枚噛んでいるのではないかと」
「三木さんは、どうしてここの講師になったんですか?」
“この道が一番合っている”と言うのだから、きっと単純にこの仕事が好きなのだろう。
それはわかるけれど、人格を作ってまで講師をする理由は何なのかが気になる。
三木さんは、瞳だけを動かして目線を斜め下に下げると、ぽつりとこう言った。
「浅野さんに、頼まれたからです」
「……浅野さんに?」
それはまたどうしてなのか聞こうとしたけれど、今度は私に目線を戻した彼女の方から質問される。
「真白さんも、今日ここに来たのは同じ理由なんじゃないですか?」
「えっ、どうして……」
同じ理由というのは、浅野さんに言われて、ということだよね。何でわかるの?
キョトンとしていると、三木さんはペンをケースにしまいながら、感情のない声で話す。
「マシロはここと同じ包装用品専門店でしょう。その店員であるあなたが、ラッピングが出来ないとは思えません。なのに、わざわざ講習を受けに来たということは、彼が一枚噛んでいるのではないかと」