まだ、心の準備できてません!
私に差し出されたそれは、以前見たものと同じ“ラッピング講習会”と書かれた用紙。
でも、そのデザインや写真はクリスマス仕様になっている。
「今度特別に、クリスマスに向けてのギフトラッピングの講習をすることになったんだ。もし都合がつくようなら、またおいで」
クールに微笑む彼を一度見上げ、今回は拒否せずにすんなりと受け取った。
あの講習会、本当にタメになったもの。お店のためだけじゃなく、自分のためにも行きたい。
トワルで講師をしてほしいという誘いに乗ったわけでは、決してないけれど。
ただ、三木さんと顔を合わせるのはヒジョーに気まずいよね……。
少しの間忘れていたことを思い出してしまい、また胸がざわめき始める。
用紙に目を落としながらそれをひた隠しにしていると。私達を交互に見た浅野さんは、「では、また」と短く告げて歩き出した。
木枯らしが吹く中、悠々と去っていく姿を見送り、私はひとつ息を吐いた。
「何なんですかね、あの人……って、阿部さん?」
いまだに立ち尽くしたまま動かない阿部さんの顔を覗き込むと、それに気付いた彼女は私を見てぽつりとこぼす。
「美玲ちゃん……浜名さんがほだされるのがわかったわ」
「へっ?」
浜名さんがほだされるのがわかったって、まさか。
でも、そのデザインや写真はクリスマス仕様になっている。
「今度特別に、クリスマスに向けてのギフトラッピングの講習をすることになったんだ。もし都合がつくようなら、またおいで」
クールに微笑む彼を一度見上げ、今回は拒否せずにすんなりと受け取った。
あの講習会、本当にタメになったもの。お店のためだけじゃなく、自分のためにも行きたい。
トワルで講師をしてほしいという誘いに乗ったわけでは、決してないけれど。
ただ、三木さんと顔を合わせるのはヒジョーに気まずいよね……。
少しの間忘れていたことを思い出してしまい、また胸がざわめき始める。
用紙に目を落としながらそれをひた隠しにしていると。私達を交互に見た浅野さんは、「では、また」と短く告げて歩き出した。
木枯らしが吹く中、悠々と去っていく姿を見送り、私はひとつ息を吐いた。
「何なんですかね、あの人……って、阿部さん?」
いまだに立ち尽くしたまま動かない阿部さんの顔を覗き込むと、それに気付いた彼女は私を見てぽつりとこぼす。
「美玲ちゃん……浜名さんがほだされるのがわかったわ」
「へっ?」
浜名さんがほだされるのがわかったって、まさか。