まだ、心の準備できてません!
「でも、そんなにすぐ黒字になるわけないしね、変化もまだ微々たるものだから。私も出来ることは何でもしなきゃと思って、ラッピングの講習会も受けてるんだ。もっと私が力をつければ、それがマシロの宣伝にも繋がるし」
それを教えてくれたのは、他でもない浅野さんなのだけど。
マシロを乗っ取ろうとしているくせに、経営を持ち直すためのヒントを与えてくれているようで、本当に何を考えているのかわからない人だ。
「……すごいね、美玲。ほんとに頑張ってるね」
感心と安堵が混ざったような、柔らかい笑顔で由香が言った。
まだまだ食べ足りないはずだけど、彼女は箸を置いたまま私の話に乗ってくれる。
「ラッピングの講習会なんてやってるんだ。どんなことやるの?」
「えっとね……」
浅野さんからもらった用紙がバッグに入れっぱなしになっていたことを思い出し、それを取り出して由香に渡す。
興味深そうに見ている彼女に、講習の内容をさわりだけ教えた。
「へぇー……ってこれ、そのトワルでやってるんじゃん?」
「そうなんだよ。だから浅野さんがいるのがちょっと難点なんだけどさ。なるべく会いたくないし……」
そう言って口に入れた鶏なんこつをこりこりと噛み砕いていると、由香の手から陽介がスッと用紙を奪った。
それを教えてくれたのは、他でもない浅野さんなのだけど。
マシロを乗っ取ろうとしているくせに、経営を持ち直すためのヒントを与えてくれているようで、本当に何を考えているのかわからない人だ。
「……すごいね、美玲。ほんとに頑張ってるね」
感心と安堵が混ざったような、柔らかい笑顔で由香が言った。
まだまだ食べ足りないはずだけど、彼女は箸を置いたまま私の話に乗ってくれる。
「ラッピングの講習会なんてやってるんだ。どんなことやるの?」
「えっとね……」
浅野さんからもらった用紙がバッグに入れっぱなしになっていたことを思い出し、それを取り出して由香に渡す。
興味深そうに見ている彼女に、講習の内容をさわりだけ教えた。
「へぇー……ってこれ、そのトワルでやってるんじゃん?」
「そうなんだよ。だから浅野さんがいるのがちょっと難点なんだけどさ。なるべく会いたくないし……」
そう言って口に入れた鶏なんこつをこりこりと噛み砕いていると、由香の手から陽介がスッと用紙を奪った。