まだ、心の準備できてません!
*
「……どうでしょう。皆さん出来ましたか? クリスマスはぜひこのラッピングでプレゼントを包んでみてくださいね」
美麗な笑顔を見せる三木さんに、男性受講者は、にへら~っと締まりのない顔で返事をしている。
講習会をする三木さんは、やっぱりいつもの柔らかい雰囲気で、とびきり愛想の良い美女だ。
感心したようにじっくり眺める私と目が合っても、まったく動じることなくにっこりと微笑む。
さ、さすが……と思いながら、私もぎこちない笑顔を返した。
そんな中、自分でラッピングした、練習用の小さなポインセチアの鉢植えを眺めてニコニコしている陽介。
ようやくエンジェルボーイが戻ってきたわ……と、私はひとりほっとしている。
「陽介って手先器用だね。綺麗に包めてる」
「一応僕も店でちょこっとやってるからね。と言っても、簡単なのしか出来ないけど」
ホワイトボードから一番離れた隣同士の席で、和やかに話していると、私達の後ろから三木さんが顔を覗かせる。
「おふたりとも上手ですね。笹原さんはお花屋さんなんでしたっけ?」
「あ、そうなんですよ」
陽介は三木さんに話し掛けられてもいたって普通だ。
他の男性受講者は、彼女にこんなに接近されると、デレデレしちゃっているのが目に見えてわかるのだけど。