まだ、心の準備できてません!
陽介も、私なんかより他の女の子に目を向けた方がいいと思うんだけどな……。

なんて、少々無責任なことを思っていると、三木さんが陽介にこんな提案をする。


「鉢植えや花ポットを包む方法は他にもありますから、お教えしましょうか?」

「いいんですか? じゃあぜひ!」


キラキラさせた目を三日月みたいに細めて言う陽介は、本当に花が好きなのだとわかって、やっぱり癒される。

ほっこりしながら彼を見ていると、三木さんがほんの少し声を潜めて、私にこんなことを言う。


「真白さん、こんなに素敵な彼氏さんがいらっしゃったんですね。お似合いですよ」


にこりと微笑む彼女に、私は目を見開く。


「えぇ!? いや、違っ……」

「僕達お似合いだって。やったねー」

「やったねーじゃなくて否定しなさいよ!」


ルンルンしている陽介と言い合っているうちに、三木さんは前方に戻って包装紙やお花を用意し始めている。

彼女、本気で誤解しているのかな? それとも、ライバルだと思っている私への嫌味?

うーん、素の三木さんだとかなり正直にモノを言う印象だけど、さすが今は演じているだけあって、まったく本心を読み取れない。

まぁ、彼女に誤解されても、特に困ることはないだろうけど……。

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