まだ、心の準備できてません!
突然そんなことを言われて、穏やかだった鼓動がその動きを速める。
喉に詰まって声が出ず、ただ彼を見上げると、熱を帯びた真剣な瞳に捉えられる。
そして、テーブルに乗せていた手に、陽介のそれがふわりと重なった。
──ドキン、と跳ねる心臓。
さっき手を繋いだ時は、熱さも、緊張も、こんなに感じなかったのに……。
「このまま、帰したくない」
「陽、介……」
甘いセリフに、熱い眼差し。
急にオスの部分を覗かせる彼に、私はどぎまぎしてしまう。
好きな人にこんなことを言われたら、きっとこの上なく嬉しいはず。
でも、この状況から逃げ出したくなってしまう私は、やっぱり陽介のことを──。
「……なんて、こんなこと言っても無駄だってわかってるよ」
そっと手を離した陽介は、独り言のようにぽつりと漏らした。
上目遣いで彼を見ると、私から離した手をくしゃりと髪に潜らせ、嘲笑を浮かべている。
「みーちゃんが何と言おうと、自分のモノにするくらいの強引さがあればいいんだけど、そんなこと僕には出来ないんだよねー……。ヘタレだよ、ほんと」
自嘲気味に吐き捨て、目を伏せる陽介に、ズキンと胸が痛んだ。
喉に詰まって声が出ず、ただ彼を見上げると、熱を帯びた真剣な瞳に捉えられる。
そして、テーブルに乗せていた手に、陽介のそれがふわりと重なった。
──ドキン、と跳ねる心臓。
さっき手を繋いだ時は、熱さも、緊張も、こんなに感じなかったのに……。
「このまま、帰したくない」
「陽、介……」
甘いセリフに、熱い眼差し。
急にオスの部分を覗かせる彼に、私はどぎまぎしてしまう。
好きな人にこんなことを言われたら、きっとこの上なく嬉しいはず。
でも、この状況から逃げ出したくなってしまう私は、やっぱり陽介のことを──。
「……なんて、こんなこと言っても無駄だってわかってるよ」
そっと手を離した陽介は、独り言のようにぽつりと漏らした。
上目遣いで彼を見ると、私から離した手をくしゃりと髪に潜らせ、嘲笑を浮かべている。
「みーちゃんが何と言おうと、自分のモノにするくらいの強引さがあればいいんだけど、そんなこと僕には出来ないんだよねー……。ヘタレだよ、ほんと」
自嘲気味に吐き捨て、目を伏せる陽介に、ズキンと胸が痛んだ。