まだ、心の準備できてません!
なんとか救急車を呼び、お父さんと一緒に乗り込んだ私は総合病院へ向かった。
検査の結果、『倒れたのは過労とストレスが原因だろう』と医師から伝えられた。
数ヶ月前から、マシロのことで徐々に精神的にも肉体的にも疲れが溜まっていて、そこにタケちゃんやアザミのことが重なったからなのかもしれない。
心臓などに異常はなく、五日間の入院で済むようで、危険な病気ではなくてひとまず安心した。
説明を受けた後、スマホが利用出来るロビーに移動し、真っ先にマシロで待つふたりに連絡する。
電話に出た浜名さんはとても心配そうにしていたけれど、病状を伝えると、大事に至らなくてよかったと心底安心してくれていた。
『今日の残りの仕事はなんとかするから、心配しないで店長のお世話してあげて』と言ってくれたふたりに感謝しながら、電話を切った。
一安心したものの、すぐに自責の念でいっぱいになる。
最近の体調不良もストレスのせいだったのに、私はそれを見抜けなかったし、予防することも出来なかった。
一番近くでお父さんを見ていたのは、他の誰でもない私だったのに。
『お父さんとお店のことよろしくね』
お母さんにそう言われていたのに、私全然支えてあげられてなかったよ……。