まだ、心の準備できてません!
「みーちゃん、いらっしゃい」
私に歩み寄る陽介は、やっぱりどことなく元気がない笑みを浮かべている。
それを気にしつつも、私はいつもの調子でひとつ目の用件を伝える。
「お母さんにあげる花を買いに来たの」
「あぁ、そっか。今年もこの時期がやってきたね。いつものでいい?」
すぐにわかってくれる陽介に、私は「うん」と頷いた。
淡い黄色のスプレーギクと、紫色のりんどう、お母さんが好きだった白いユリを、手際良く集めてくれる。
それを眺めながら、頭の中ではぐるぐると考えを巡らせる。
いつ切り出そう。でもおばさんもいるし、仕事中にこんなこと話すのはいけないよね、普通……。
悩んでいるうちに、おばさんはお店の奥へと姿を消し、陽介は花束を作り終わってしまった。
やっぱり、また日を改めるか。そう決めようと思った時。
「僕さ、今までみーちゃんのために何かしてあげられてたかな」
カウンターの向こうで手に持った花束を見つめながら、陽介がぽつりと漏らした。
急にそんなことを言う意味がわからず、私は目をしばたたかせて首をかしげる。
「どうしたの? 突然」
「この間、浅野さんが店に来て少し話したんだけど、ちょっと考えさせられて」
私に歩み寄る陽介は、やっぱりどことなく元気がない笑みを浮かべている。
それを気にしつつも、私はいつもの調子でひとつ目の用件を伝える。
「お母さんにあげる花を買いに来たの」
「あぁ、そっか。今年もこの時期がやってきたね。いつものでいい?」
すぐにわかってくれる陽介に、私は「うん」と頷いた。
淡い黄色のスプレーギクと、紫色のりんどう、お母さんが好きだった白いユリを、手際良く集めてくれる。
それを眺めながら、頭の中ではぐるぐると考えを巡らせる。
いつ切り出そう。でもおばさんもいるし、仕事中にこんなこと話すのはいけないよね、普通……。
悩んでいるうちに、おばさんはお店の奥へと姿を消し、陽介は花束を作り終わってしまった。
やっぱり、また日を改めるか。そう決めようと思った時。
「僕さ、今までみーちゃんのために何かしてあげられてたかな」
カウンターの向こうで手に持った花束を見つめながら、陽介がぽつりと漏らした。
急にそんなことを言う意味がわからず、私は目をしばたたかせて首をかしげる。
「どうしたの? 突然」
「この間、浅野さんが店に来て少し話したんだけど、ちょっと考えさせられて」