まだ、心の準備できてません!
最初は不慣れでオタオタしていたけど、今では楽しんで教えられるまでになっていた。
「真白さーん」
講習会が終わり、皆が帰り始める中ホワイトボードを消していると、ひとりの受講者が近付いてきた。
まだ二十歳の大学生で、バイトしている雑貨屋で講習会に行ってこいと言われ、渋々やって来たという男子だ。
ハニーブラウンの髪の毛やアメカジ風の服装が、なんだかチャラい雰囲気を醸し出している彼に、私は笑顔を向ける。
「どうしました?」
「ちょっと個人的に質問があって」
今日の講習でわからないところでもあったのだろうか。
意外と熱心なんだなぁと感心したのもつかの間、彼は笑みを浮かべつつ、探るような上目遣いでこんなことを口にする。
「真白さんは、クリスマス誰かにプレゼントあげるんすか?」
……質問ってそれか。見た目を裏切らないわね。
がっくりと脱力しながら、とりあえず答える。
「あー、うん、まぁ一応」
「まじっすか! それってオトコですよね? 彼氏? や、でももしかしたら万が一オレってことも──」
「残念」
ペラペラと軽口を叩く彼の言葉を遮って、聞き慣れた低い声が響いた。
後ろを振り向くと、いつの間にか夏輝さんが立っている。余裕の笑みを浮かべて。
「真白さーん」
講習会が終わり、皆が帰り始める中ホワイトボードを消していると、ひとりの受講者が近付いてきた。
まだ二十歳の大学生で、バイトしている雑貨屋で講習会に行ってこいと言われ、渋々やって来たという男子だ。
ハニーブラウンの髪の毛やアメカジ風の服装が、なんだかチャラい雰囲気を醸し出している彼に、私は笑顔を向ける。
「どうしました?」
「ちょっと個人的に質問があって」
今日の講習でわからないところでもあったのだろうか。
意外と熱心なんだなぁと感心したのもつかの間、彼は笑みを浮かべつつ、探るような上目遣いでこんなことを口にする。
「真白さんは、クリスマス誰かにプレゼントあげるんすか?」
……質問ってそれか。見た目を裏切らないわね。
がっくりと脱力しながら、とりあえず答える。
「あー、うん、まぁ一応」
「まじっすか! それってオトコですよね? 彼氏? や、でももしかしたら万が一オレってことも──」
「残念」
ペラペラと軽口を叩く彼の言葉を遮って、聞き慣れた低い声が響いた。
後ろを振り向くと、いつの間にか夏輝さんが立っている。余裕の笑みを浮かべて。