まだ、心の準備できてません!
「ありがとう……! すごい嬉しい」
満面の笑顔を向けると、彼も嬉しそうに微笑んだ。
いい香りがする花に鼻を近付けて、じっくりと眺めていると、陽介がこんな質問をする。
「バラの花言葉って知ってる?」
キョトンとして、首をかしげる私。
「さぁ……私そういうの疎いからわかんないや」
「だよね、そう思った」
あは、と無邪気に笑う陽介だけど、ちょっと失礼だよ?
ピクリと片眉を上げる私に気付いているのかいないのか、彼は自然な動作で私の手を握る。
ドキンと、ひとつ胸が鳴った。
「後で教えるね。とりあえず行こ」
「あ、うん……!」
言われるがまま、片手に花束を持ち、もう片方の手を引かれて歩き出した。
……こうやって陽介と手を繋ぐなんて、たぶん中学の時以来だ。
あの時は、クラスの女子とうまくいってなくて、ヘコんでた私を慰めてくれたんだよね。
あったかくて、決してゴツゴツしていない、心地良い手。
もうあの頃とは違う大人だけれど、伝わってくるぬくもりは同じだ。
百六十センチの私より少し背の高い陽介を、ちらりと見上げる。
白いTシャツに青いブルゾンを合わせたカジュアルなスタイルの彼は、私から見てもイケメンだなぁと思う。
満面の笑顔を向けると、彼も嬉しそうに微笑んだ。
いい香りがする花に鼻を近付けて、じっくりと眺めていると、陽介がこんな質問をする。
「バラの花言葉って知ってる?」
キョトンとして、首をかしげる私。
「さぁ……私そういうの疎いからわかんないや」
「だよね、そう思った」
あは、と無邪気に笑う陽介だけど、ちょっと失礼だよ?
ピクリと片眉を上げる私に気付いているのかいないのか、彼は自然な動作で私の手を握る。
ドキンと、ひとつ胸が鳴った。
「後で教えるね。とりあえず行こ」
「あ、うん……!」
言われるがまま、片手に花束を持ち、もう片方の手を引かれて歩き出した。
……こうやって陽介と手を繋ぐなんて、たぶん中学の時以来だ。
あの時は、クラスの女子とうまくいってなくて、ヘコんでた私を慰めてくれたんだよね。
あったかくて、決してゴツゴツしていない、心地良い手。
もうあの頃とは違う大人だけれど、伝わってくるぬくもりは同じだ。
百六十センチの私より少し背の高い陽介を、ちらりと見上げる。
白いTシャツに青いブルゾンを合わせたカジュアルなスタイルの彼は、私から見てもイケメンだなぁと思う。