まだ、心の準備できてません!
思わず笑っちゃったけど、ちゃんと報告しておかないといけないよね……。

でも今は陽介もいるし、由香と二人になった時に話すか、と思ったその時。


「僕達、二人で行ったんだ」


渋っていたのが一変し、はっきり陽介が言うものだから、私は目が点になった。

意外だと言うように目をぱちくりさせる由香は、ポテトをつまみながら軽い調子でこんなことを口にする。


「そうだったの!? ほんと仲良いねぇ。もう付き合っちゃえばいいじゃん」

「それはダメなんだよ。フラれたから、僕」


苦笑を漏らしつつ、またさらっと暴露する陽介に、私と由香は目を丸くした。もう隠しておくのが面倒になったのかな。


「フラれたの!? お祭りにも行ったのに!?」

「いや、そのお祭りでフラれたんだって」


天然発言をする由香に、「フラれたって連呼するのやだ……」と言いながら、陽介は脱力した。

彼を気の毒に思いつつ、もうここまで言ったならと、私もあの日のことをすべて打ち明けた。

あっという間に完食した由香は、話を聞き終わると腕を組んで背もたれに背中を預ける。


「そうだったんだね……。美玲にも早く恋してほしいし、陽介くんがその相手になってくれたらなってあたしも密かに思ってたけど、やっぱり陽介くんは可愛いだけの男だったってことかぁ」

「キミも何気にヒドいこと言うね」

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