まだ、心の準備できてません!
据わった目で由香を見る陽介のアヒル口はピクピクと引きつっている。由香には何の悪気もないのだけど。
昔から二人のこういうやり取りは変わらなくて、私は自分の恋愛のことは棚に上げて笑っていた。
ふと気付いてスマホを見やると、すでに午後ニ時になろうとしている。
「あ、もうこんな時間」
「ほんとだ。僕、片付けてくるよ」
当然のように私達のゴミやトレーを片付けてくれる陽介は、相変わらず気が利く男だ。
由香と二人でお礼を言い、店内へ向かう陽介を見送って席を立つと、由香が私に身体を寄せてニヤリと笑う。
「まさか陽介くんとの間にそんなことがあったなんてね~」
「ごめん、黙ってて。言う機会なくてさ」
「そんなのは全然いいんだけど」
由香は小柄なくせに私よりふくよかな胸の前で腕を組み、考えを巡らすように目線を斜め上に上げる。
「でもやっぱり、美玲にはもうちょっと大人な人が合いそうな気がするんだよね」
そう言われてすぐに思い浮かぶのは、やっぱりスーツと煙草が似合う彼。
私も、躊躇う間も与えないくらいぐいぐい引っ張ってくれる彼のような人の方が、踏み止まったままの恋愛の階段を上らせてくれそうな気もする。
昔から二人のこういうやり取りは変わらなくて、私は自分の恋愛のことは棚に上げて笑っていた。
ふと気付いてスマホを見やると、すでに午後ニ時になろうとしている。
「あ、もうこんな時間」
「ほんとだ。僕、片付けてくるよ」
当然のように私達のゴミやトレーを片付けてくれる陽介は、相変わらず気が利く男だ。
由香と二人でお礼を言い、店内へ向かう陽介を見送って席を立つと、由香が私に身体を寄せてニヤリと笑う。
「まさか陽介くんとの間にそんなことがあったなんてね~」
「ごめん、黙ってて。言う機会なくてさ」
「そんなのは全然いいんだけど」
由香は小柄なくせに私よりふくよかな胸の前で腕を組み、考えを巡らすように目線を斜め上に上げる。
「でもやっぱり、美玲にはもうちょっと大人な人が合いそうな気がするんだよね」
そう言われてすぐに思い浮かぶのは、やっぱりスーツと煙草が似合う彼。
私も、躊躇う間も与えないくらいぐいぐい引っ張ってくれる彼のような人の方が、踏み止まったままの恋愛の階段を上らせてくれそうな気もする。