【完】CHESS-WHITE or BLACK-(誤字脱字加筆修正中P194まで修正完了済)
「っ、ありがとう」
唇を噛み締めた真は走っていった
「ふふっ、みんな素直じゃないね」
遠くなっていく背中を見つめる
「………お前も素直じゃない」
優羅が切ない目で私を見つめる
「……まだ、桜牙が好きなんだろ?」
優羅は苦しそうな表情をする
こんな顔をさせてるのは私だよね
優羅のほほにそっと手を添える
「私はね紅蓮のみんなが好き。
これはね、桜牙の時よりだよ。
だから、心配しないで。裏切らないから」
私はそっと、微笑んだ
私の思いが伝わるようにと
私の手の上に手を添えた優羅
「その言葉……信じてる」
優羅もそっと微笑んだ
夏の風は、わたし達の横を通り過ぎた