ひと夏の救い
1章:自己紹介
えぇー、私は。
荒峰明(あらみねあきら)です。はぁ。
…はぁ
あ、ため息が多いのは気にしないで、
何時もの事だから。
何か疲れるのよ。色々とね。
私は眼鏡を掛けてはいますが、
ガリ勉ではないので勘違いしないように。
さて、只今新しく同級生となる人達と登校中。
今年から中学生になるの。
とはいっても誰かといる訳でもなく
私一人で登校しているんだけれどね。
普通の女子であれば
ワクワクキャッキャ言っているだろう春でございます。
さらに言えば入学式。はぁ。
正直言ってどうでもいい。
早く終わってくれれば私は満足!
なのだけれど・・・はぁぁ。
学校着いたら300人以上の
名前が書いてある中から自分一人のを探す。
ここでもうダウン寸前。
さらに学校が広くてクラスに行くまで10分以上歩く始末。
夏じゃないのに汗かいた。
やっと教室に入れたと思えばグループの
女子連中さんが大声で笑い転げている。
人の迷惑も考えられないから
この声量なのでしょうね
だとしてもうるさい静かにして欲しい。
只々そう思った。
そしてもう一つ、
教室の人たち全員が私の方に一斉に、
もう完璧な程にタイミングピッタリに振り返った。
これはちょっとだけ面白かったかも。
その後の女子の顔は真っ青。
男子は真っ赤。なんだこりゃ。
けだるげに黒板を見ると、
席は、此処は珍しく黒板向きに左から
詰めていく形式だから…
あった!はぁ。此処でまたHP1ダウン。はぁ、、、!
でもそこを見てびっくり。
だって窓際だったから!嬉しい!
でも私は基本ポーカーフェイス。
顔には出てない。と思う。
颯爽とした足取りで机に向かい、
席に着くと、木、独特の自然の香りがした。
何となく臉が重くなってきたので、
そのまま寝そうに…
なった所で起きた。
どちらかというと起こされた。
クラスの男子共に話しかけられたから。
人間とは話したくないけど、仕方ない。
とは思わない。
普通にウザいわ。
「ねぇ!君何処小出身?俺は・・・」
「ねぇ名前は何て言うの?俺は・・・」
「お前ら待てよ!俺が先に話すんだ!」
「んだと!?俺が先に決まってる!」
「いいや俺だ!」
「俺に決まってるだろ!」
「何だと!?」
とか何とかうるさい事を私の上で喋り続ける。
何で此処で喧嘩するわけ?
周りの事も考えて欲しいわよ!
っとそれが普通でしょうが!
*(喧嘩は続く)
プチッ____________
私の中で何かが千切れる音がした。
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