ひと夏の救い
何故か何も言ってないのに、何も言ってないから?
女の子があんまり使ってはいけないだろう口調で叫ばれながら、肩を突き飛ばされた。

私は口が上手いってことを自負している。
でも残念ながら、運動は苦手で、
踏ん張るのは慣れていないし、力も弱い。

だからどうしようも無くて

あーあ、やっぱり面倒臭い。

って頭の端で思いながら、
目の前に映る古びた倉庫の屋根と暗くなってきた空をながめてた。

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