ひと夏の救い
お母さんが乗ってきたウチの車に揺られて学校から離れていく間、どっと今までの疲れが眠気を伴って頭に覆いかぶさった。
それを見兼ねたお母さんが「着いたら起こすから、眠っていなさい」と言ってくれて余計に瞼が重くなる。
眠気に負けそうになりながら窓の外に見えた校舎が何かおかしい気がしたけれど、暗くてよく分からないしそれよりも今はとても疲れていた。
静かに振動する車体に揺られながら、私の意識は微睡みの底に逆らわずゆっくりと沈んでいった。