ひと夏の救い


木下君は、
友達が見たって言ってたんだ!
と言ってたから、
多分からかわれてるんでしょうね。

純粋なお馬鹿なんだから。はぁ。

奈良坂君は霊感があるんだって。

むにゃむにゃ眠そうにしながら
金縛りにあった事があるって
言っていた。

寝すぎて身体が固まっていたんじゃないかと思うけれどね。

東雲君は私と殆ど同じ意見。

おばけなんかいないんだぞ、
って木下君に諭してた。

澄晴はいつもの様に
飄々とした胡散臭い笑顔を貼り付けたまま、
でも、いないに決まってるって
何故か即答してた。

だからか、

「…澄晴ってもしかして、幽霊怖いの?」

って奈良坂君が聞いて、澄晴がまた

「じゃあさ、俺達で学校の七不思議、解決しない?」

って即答した。
ちょっとムッとしていたような気がする。


そう、これが始まり。こんな事があって、冒頭に戻る。
< 20 / 145 >

この作品をシェア

pagetop